ブラックメタルの現役ギタリストがHR/HMの最新情報をお届けします

金網vsリング(ロープ)、MMAの試合場に適してるのはどちらか?

      2017/01/15

 

概要

1993年、UFCが金網で囲まれた8角形の舞台、通称"オクタゴン"で試合を行って以来、MMAの試合場として金網が世界中に普及しました。
一方、日本では、かつてのPRIDEに代表されるように、ボクシングやプロレス等で使用されてる、四方がロープで囲まれているリングを採用している団体が主流でした。
金網、あるいはリング、どちらがMMAに適しているのでしょうか?
と言っても、現状では金網を使用している団体がほとんどで、リングを使用している主要な団体は日本のRIZIN、DEEP、ZST、ロシアのM-1 Global等が挙げられる程度で、かなり少なくなってしまいました。
(パンクラス、KSW、Jungle Fight等昔はリングを使っていましたが、現在は金網に移行した団体もあります。)
こうして考えると、MMAにとってリングと言うのはもはや絶滅危惧品種なのかもしれません。
しかし、金網よりもリングの方が勝っている点も少なからず存在するため、それぞれのメリット、デメリットについて、これから検証していきたいと思います。

競技性

よく言われるのが、リングはストライカー有利、金網はグラップラー有利、ということですね。
リングの場合、直角のコーナーが四方にあるため、スタンドの状態で比較的容易に相手を追い詰めることが出来ます。
しかし、金網の場合、形状がほぼ円形のため、円を描くようにサークリングされると、相手を捕まえることが難しくなります(Kimbo VS Houston Alexander等)。
PRIDEで活躍したミルコがUFCで活躍できなかったのも、これが原因の一つであると言われています(もちろん一概には言えませんが)。
一方、金網はロープと違い、ほぼ壁に近いので、レスリング等、組み技主体の選手が直線的に相手を金網に押し込んで、そこからテイクダウンを奪う事が可能です。
これが金網はグラップラー有利と言われる所以ですね。ただこの辺はマットの広さによっても変わってくるので、これも一概には言えません。
また、金網の場合、グラウンドの攻防の際に選手が金網を利用して立ち上がったり、スイープしたり、相手を金網に押し付けて身動きを封じたりと、金網をいかに上手く使うかが勝負の分かれ目になってきます。

グラウンドと言えば、リングでMMAを行う上で最もやっかいなのが、グラウンドの状態でロープの外にはみ出した選手を中央に戻す、いわゆるストップドントムーブと言うやつですね。
一旦レフリーが試合を止めて選手を中央に戻すわけですから、当然見てる方は間延びしますし、試合の流れも変わってしまいます。
この一点だけで、リングより金網の方が優れている、と言い切る人もいるくらい究極のデメリットです。

もう一つ、リングのデメリットを挙げると、掴むという反則が発生しやすい、ということでしょうか。
現状、ほぼ全てのMMA団体において、金網であれ、ロープであれ、それを掴んでテイクダウンを免れようとしたり、自分のポジションを維持しようとするのは反則になっています。
ただ形状上、目の細かい金網よりもロープの方が掴みやすく、さらに脇の下にロープを抱えて粘るということもできてしまうので、リングの方が掴むという反則に対してより厳しく対処する必要があります。
また、それを止めるために、レフリーがロープを掴んでいる選手の手をペチペチと払い落とすのが見苦しいと言う意見もあります。
ただ、先ほども言いましたがこれは金網であっても起こり得ることで、あくまでリングの方が発生頻度が高いというだけの話です。

見易さ

自分は金網、リング両方生で観戦したことがありますが、会場での見易さで言うと圧倒的にリングの方が見やすいです。
金網の場合、金網それ自身は意外と気にならないんですが、金網の四隅を囲っている黒いバー、柱みたいなやつがめちゃくちゃ邪魔です。
あと、金網の場合、カメラマンが台に乗って試合を撮影しているので、それも死角になったりして地味に邪魔だったりします。

伝統

金網とリングについて、この観点であまり議論されることは少ないのではないでしょうか?
しかし、格闘技の試合場として金網を使うというのは、プロレスなどの一部例外を除けばつい最近のことであって、今現在でも金網=野蛮というイメージを抱く人が多いことも事実です。
実際、つい最近まで、オーストラリアのビクトリア州では、ロープのリングでのMMAは合法であるのに対し、金網でのMMAは禁止されていました。
(現在では金網でのMMAも解禁されており、UFCも開催されました)

アメリカの総合格闘家、ニック・ディアズはDREAM.14の試合前の会見で、試合場を当初予定していたリングから金網に変更したことに対してこう言っています。

”I think for hundreds of years or for a much longer time, people have been fighting, professional athletes have been fighting in a ring. So it's just the way it should be. There's no sense in making it a cage.”
(数百年、あるいはそれ以上の期間、人々は、プロのアスリートはリングで戦ってきた。だから、リングにすべきだ。金網にするというのは理解できない。)

まとめ

金網とリングのそれぞれの特徴についてまとめましたが、いかがだったでしょうか?
個人的にはストップドントムーブさえなければリングの方が好きですが(PRIDE世代なので)、現状の流れを見ても、おそらくこれからのMMAの主流は金網になっていくのだと思います。
ただし、金網にも改善すべき点はたくさんあると思うので、今後はその辺を踏まえた、ロープでも金網でもない、第三の舞台が出てくるかもしれません。

 - 記事